クラウドコンピューティングの幻想

blogをいつも読んでるエリックさんの本ですが・・・若干読みづらい。
あとがきでも触れられているが、エリックさんがクラウドについて思っていることを、とにかく思いつくままに書きなぐった感があり、話が二転三転したり、重複したりする。


クラウドコンピューティングの幻想

クラウドコンピューティングの幻想




でも、「クラウドキター!」とか、「クラウドの波に乗り遅れるとアンタ、ヤバイッスよ!」みたいな煽り提灯本ではなく、マネジメントの視点で、ベンダーの甘い言葉に踊らされたらアカン!と喝破されているのは、すごくいいと思った。SaaS、Haas、DaaS、PaaSときて、なんなのこれと思ってたところ、終いには"Security"aaSとか言われて、正直フイたわ。DoCoMo2.0を彷彿とさせる、やっちゃった感を感じさせる。


クラウドを活用するために、ユーザーは「クラウドコンピューティングの技術を理解する必要はありません」とあるけど、真面目に使うんなら、ユーザーもやっぱり中身理解しておく必要はあるんじゃないの?


昔、商用環境で使ってるASPサービスで障害が起きて、ASP側に「早く対応してよ」とお願いしたけど、一向に解決しない。仕方ないので、システム構成とかネットワーク構成の資料送ってもらって、こっちで切り分けして、「ここがまずいんじゃないの?」って指摘したら、ビンゴで、やっと障害が解決したことがあった。そこも含めて面倒みてほしいからASPサービス使って外だししてんのに、何なんだこれはということで、利用者であるお客さまも激怒され、あえなくASPサービスは解約となりました。


クラウドも商用サービスなんだから、障害対策はそりゃやってるだろうけど、「絶対落ちない」なんてことがあるわけないんだから。ユーザーも中身を理解して、障害の際はクラウド側に理詰めで対応を要求できるようになってないと、まずいと思うんですが。これは、クラウドを利用するからというより、自社の使ってるシステム全般に言えるけど。一方で、「最悪、落ちてもいい」って判断した上で、クラウドを使うという選択肢もあり得る。なので、こういう事柄をきちんと考えた上で使いなさいよアンタ、ということなのであろう。