ウェブ時代をゆく−いかに働き、いかに学ぶか

コピペせざるを得ない。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

自らの「向き不向き」と向き合い、自らの志向性を強く意識し(それが戦略性そのもの)、「好きを貫く」ことこそが競争力を生むと私は考える。人は誰しも「好きなこと」「やりたいこと」に熱中、没頭しているときは、時が経つのを忘れるほどの充実感が得られ、自分に「向いたこと」だからこそ長く一つのことを続けられる。継続が力となり、競争力になる。


学生の頃、日本は不況の真っ只中で、就職活動してもなかなか内定もらえない大学の先輩が多かった。リアル就職氷河期だった。金融機関とか、余裕で倒産してたし。


そんな中でも、良い選択かどうかは別として、「いわゆる大企業」からあっさり内定もらってたのは、やっぱり大学生活の中で「自分の好きなこと」にのめり込んで、とことんやってた先輩だったなぁ。ありがちなんだけど、学祭の実行委員やってた先輩は、南米が好きで金ためて南米に留学&放浪してたなあ。結局でかい商社に入社した。DJとオンナ遊びにハマッてた先輩は、一番でかい証券会社に逝ってた。


本人達はそんなこと思ってなかっただろうけど、傍から見ると「真剣に学生して、好きなことを徹底的にやってる」ように見えた。これって学生だけじゃなくて、社会に出てからも大事なんじゃね?



「飛行機に乗った瞬間からプログラムを書き始めますよ。気がつくと成田に着いている。それで東京に着くと、会社の近くのホテルに直接行ってチェックインして、すぐまたプログラムを書きます。時差はあんまり感じたことがありません。日本でも、別に誰かと飲みに行くことはほとんどないですね。会社に行って、会議に出たりプログラムを書いたりして、午後五時には退社して、ホテルに帰ってまたプログラムを書きます。そんなふうに五日くらい日本に居てはシリコンバレーに戻り、またプログラムを書きます」

「コードを書いている奴が、食事しているときと寝ているとき以外は、ずーっとプログラムを書くか勉強しているかのどっちかだってことが、コード見てわかるんですよ。それも十年以上、そういう生活しているのが、わかるもん。すげーなぁと思いますよ。そいつ一人だけですよ」


いやいやいやいや好きってこういうことだよな、マジで。「一番強い人が一番勉強している」だなおい。



時間だけがすべての人に平等に与えられたリソースである。その時間を、自らの志向性と波長の合う領域に惜しみなくつぎ込む。それが個を輝かせる。大切な時間というリソースを自分らしくどう使うのか。そこがこれからはますます問われる。

彼の座右の銘がこの「Only the Paranoid Survive」という言葉である。Paranoidとは「病的なまでの心配性」という意味。「病的なまでに心配性な人だけが生き残る。」そのくらいの緊張感で事に処する者だけが、厳しい競争を生き残る(高速道路の先の大渋滞を抜ける)ことができるという意味だ。

アントレプレナーシップの真髄とは、「自分の頭で考え続け、どんなことがあっても絶対にあきらめない」ということに尽きるのだ。「勝った者」とは「勝つまでやった者」なのである。一つの専門を極めることは、とになく長い長い終わりのない道のりである。


タイムマネジメントやクリティカル・シンキングは自己啓発系のビジネス書によく出てくるはなしなのだけど、「Paranoid」ということばがおもしろいと思った。「こいつ頭おかしいんじゃねーの?」って思われても、「絶対、この道しかない」って思い込んで、継続することが大事なんだろう。中途半端はいかんとですよということか。

ロールモデル思考法とは、その答えを外界に求める。直感を信じるところから始まる。外界の膨大な情報に身をさらし、直感で「ロールモデル(お手本)」を選び続ける。たった一人の人物をロールモデルとして選び妄信するのではなく、「ある人の生き方のある部分」「ある仕事に流れるこんな時間」「誰かの時間の使い方」「誰かの生活の場面」など、人生のありとあらゆる局面に関するたくさんの情報から、自分の波長の合うロールモデルを丁寧に収集するのである。

「好き」の核に、自分の多様な傾向をうまく組み合わせながら世の中と折り合いをつけていくうえでロールモデル思考法が役立ってきたと思う。


ようするに「いいとこ取り」ですか。イチローが、「一流の大リーガーはスイングのこつを教えてくれってわざわざ聞きにくる」って言ってたけど、それぐらい一分一秒真剣勝負じゃないとだめということか。あと、「世の中と折り合いをつける」というのも大事だと思った。「好きなこと」で且つ「メシが食える」は常に意識しないといかんね。

ウェブ・リテラシーとは、たとえばこんなことである。

(1)ネットの世界がどういう仕組みで動いているのかの原理は相当詳しく徹底的に理解している。
(2)ウェブで何かを表現したいと思ったらすぐにそれができるくらいまでのサイト構築能力を身につけている(ブログ・サービスを使って文を書くとかそういうことではなくて)。
(3)「ウェブ上の分身にカネを稼がせてみよう」(『ウェブ進化論』第一章)みたいな話を聞けば、手をさっさと動かしてそこに新しい技術を入れ込んだりしながらサイトを作って実験できる。広告収入の正確な流れも含め「バーチャル経済圏」がどういう仕組みで動いているかの深い理解がある。
(4)ウェブ上に溢れる新しい技術についての解説を読んで独学できるレベルまで、ITやウェブに対する理解とプログラミング能力を持つ。

最近IT業界の文鎮がフルボッコされてるけど、まあ、それは生暖かく傍観しつつ、技術の勉強にのめり込んでみるとかの方が、ずっと前向きなのでは。





740円て、安すぎじゃね?